ソーシャルレンディングの事業者の中には、ファンドの募集に「抽選方式」を採用しているところがあります。
その理由には、主に以下の2つがあります。

1)応募不可の利用者の増加
人気の高い事業者のファンドは、応募者が非常に多くなります。そのため、ファンドの募集が公開されると応募が殺到し、あっという間に募集が締め切られます。つまり、早い者勝ちというシステムであるため、早く応募できた人だけが投資できることになります。そこで、募集における公平を期すために抽選方式を採用し、希望者全員に申込機会を与えるようにしました。

2)効率的な応募
ファンドの募集に関しては、いつソーシャルレンディング事業者から公開されるのか利用者には分かりません。これは、事前に告知すると募集当日にアクセスが集中し、サーバーがダウンする恐れがあるからです。それを避けるため、あえて募集の直前に公開するようになっています。
ただそれだと、利用者は四六時中事業者のWEBサイトを開き、募集の有無を確認しなければなりません。結果的に土日曜の募集以外、サラリーマンはファンドに応募できないことになります。抽選方式になれば、時間の空いた時に応募することができます。

抽選方式のスペック

抽選方式の内容は以下になっています。

1)申込公開日
事業者によって異なりますが、大体3日ほどWEBサイトで募集が案内されます。

2)申込可能金額
申込可能金額に関しては、事業者によってシステムが違っています。利用者の口座残高が上限になっていたり、1人当たりの投資上限額が定められたりしています。

3)申込回数
申込は1ファンドに付き1人1回です。

4)抽選結果
抽選結果は募集締切後、1営業日以内に告知(メールで通知)されます。

抽選方式のメリット

抽選方式のメリットは、利用者全員に対して機会均等になることです。
先着順方式の場合、平日の日中にファンドの募集が公開されると、サラリーマンなど仕事を持っている人は明らかに不利であり、時間的に余裕のある人しかファンドに出資できません。

また、通信環境の違いによっても、応募の有利不利が出ます。通信環境の良い自宅のパソコンからアクセスできる人がお得になります。ビルの中の通信環境の悪い中でアクセスする人や、外出先からスマホでアクセスする人は応募できる可能性が低くなります。それが、抽選方式であれば、環境に左右されることが無く、全ての人が応募できます。

ただし当然ですが、抽選方式だからといって必ず当選するわけではありません。あくまでも、応募の機会が平等になるということです。